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春の京都紀行 その5  ~清水寺から八坂神社へ

                                  清水の舞台から
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4月10日月曜日  朝から重たい雲が空をおおう。
天気予報では昼から強く雨が降るよう。やれやれ。
前日はやく就寝したおかげで、この日も早い時間に、すっきりと目覚める。
今日の最初の予定は世界文化遺産 清水寺。なんと、6時半から公開されている。
急がねば。
朝食が始まる7時にはホテル1階のレストランへ。今日の朝食は和食。
のんびりコーヒーまでいきたいところだが、何事も早めの行動が肝心。
7時30分前にはホテルを出発。地下鉄で東山駅へ(この旅4回目)。
雨が少し落ちてきたが、傘をさすほどでもなく、運良く、バスはすぐやってきた。
地下鉄もそうだったが、バスも、観光客というより通学の子供たちが多い平日の朝。
五条坂のバス停で降りると、雨はかなり強くなり、傘をさしながら歩く。
そのまま歩き続けると、京都陶磁器会館なるものを発見。
かなり興味があるが、残念ながら開店までにはまだ1時間以上もある。
またの機会と心に記し、途中右折し、清水新道(通称茶わん坂)へ。
清水寺へは五条坂からでも行けるのだが、ガイドブックによると、
清水新道のほうが車が少なく歩きやすいとのことなので、素直に従う。
茶さん坂といわれるとおり、途中清水焼のお店が多くあるが、いずれもまだ開店前、
少々残念である。
そういえば、あれだけ行く先々観光客だらけだったのに、
今朝はまわりにはほとんど観光客らしき人はいない。
平日で、悪天候もあるのかもしれないなどと、考えながら歩き続ける。
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茶わん坂を登っていくと、正面に三重塔(重要文化財)が見えてきた。想像以上にかっこいい。
ガイドブックによると、バス停から10分とあるが、もう少し長く歩いたような気がする。
登り坂であること、雨が降っていること、キョロキョロしながら歩いたので時間がかかったのかも。
少々登り坂と階段はしんどかったが、
登りついた先で出迎えてくれた仁王門↑(重要文化財)は美しい朱色だった。
平安神宮同様、青みがかった緑色が美しいポイントとなっている。このバランスお見事!

       ↓三重塔と桜。晴れていればもっと絵になるはず。。
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仁王門、三重塔などをひととおり見学した後、300円(安い!)の拝観料を支払い、国宝の本堂へ。
境内をぶらぶらしている間に、雨は強くなり、気がつくと観光客がわいたように増えている。
外国人のグループと、修学旅行の中学生らが多いような。さすが世界文化遺産。
本堂の南正面に張り出した総檜板張りの舞台(懸壁造りとよばれる構造らしい)は、古くから「清水の舞台」として知られるところ。超有名。
悪天候ながら、清水の舞台からは京都市街までもが見渡せる。
観光客もまだまだ少なく、とても気持ちが良い。
(不思議なことに、高所恐怖症の私であるが、これは全く平気だった。何故?)
さて、清水寺は、延鎮上人が778(宝亀9)年に音羽の滝をたずね、観音像を彫り、
滝上の草庵にまつったのが始まりというから、歴史は古い(古すぎて、ますますわからない)。
なお、国宝の本堂は1633年に再建されたものとのこと。

       ↓奥ノ院から見る清水の舞台。このあたりは山桜がメインのよう。
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       ↓西門付近では紅枝垂れ桜も美しく咲いていた。
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本堂東側の、急な石段を下ると音羽の滝にたどり着く。
行ってみたい気もするが、すでに強く雨が降り出していたので今回は諦めることに。

後ろ髪をひかれつつ清水寺を後にし、そのまま清水坂を下り、途中右折し三年坂へ。
ずっとあこがれていた三年坂である。(あこがれた理由は今ひとつ覚えていない)。
しっとりと雨に濡れた石段の坂道の両側には風情ある町屋が並び、古都らしい風情がある。
想像したとおり、素敵な坂道だ。この時間には道沿いの店々も開いていて、途中ところどころのぞく。
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三年坂をくだり、そのまま二年坂へ。入ってすぐ左手にあったのが甘味処の「かさぎ屋」。
創業大正3年、ここは京都で初めておしること出した店とのこと。
向かって右手隣は、かの美人画家で詩人でもある、竹下夢二が彦乃と1年ばかり暮らした家。
二人はかさぎ屋にも顔を見せているということで、ぜひ立ち寄ってみたいと思ったが、
ガイドブックによれば開店は11時から。まだ30分早い。
しかし、よく見ると、既にのれんは上がっている。
思い切って扉を開け、中をのぞいてみると、かなりこぢんまりとした店内。
お店の方に声をかけてみると、入ってもよいという。なんという幸運。
当日の客第一号となり、ぜんざいを注文する。すぐ出された急須と茶碗がなんとも素敵。
寒がっていたら、お店の方が小さなストーブを足元に移動してくれた。
(寒さに弱い北海道人、なんとも恥ずかしいかぎりである)。
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しばらくは一人客だったが、5分ほどした後に、なかなかイケメンで洒落た感じの若い男性が一人で入ってきて、やはりぜんざいを注文した。なんとなくミスマッチだったけど、いい感じだった。
暫くは静かな店内だったが、今度は私よりも少し(10歳ほど?)年上のご婦人グループが参上。
狭い店内は急ににぎやかになる。
ぜんざいも食べ終わったし、身体も少々暖まったので、店を出た。
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二年坂から続いて一年坂へ。
その後八坂の塔方面へ引き返すつもりが、少々道に迷う。
雨はかなり強い降りになり、寒さも厳しい。
こんな状況ならどうせ写真なんて撮れないから止めようかなと思いながらうろちょろしていると、
一年坂の端っこにごくごく普通の喫茶店があったので暖をとろうと店内へ。
暖かなココアでほっとする。
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店を出た後、一度はあきらめた八坂の塔(重要文化財~正式には法観寺五重塔)にようやくたどりついた。創建は飛鳥時代といわれ、聖徳太子が五重の塔を建て、仏舎利を納めて法観寺と名付けたと言い伝えられているとのことだが、気の遠くなるほど、遙か昔の話である。
なお、現在の五重の塔は足利義則により再建されたという。
雨足が強く、残念ながら、ひどい写真しか撮れなかったが、かなりシック(?)な塔でした。
ここで、雨の中、鞄に大きなカメラを詰め込んで、ひとり自転車で走り去った金髪青い目の青年を発見。
これには見とれてしまった。そして、雨の坂道はくやしいけれど美しい。

八坂の塔を後にし、次はねねの道へと進むと、右手には高台寺が。
こちらは枝垂れ桜の名所ではあるが、既に見頃を過ぎた頃と思われたので、
当初予定には入れていなかったものの、ついつい気まぐれで立ち寄ることに。
拝観料は600円。
この気まぐれは大成功だった(今回の旅は、予定変更が全てヒットした)。
こちらは、秀吉の菩提を弔うため、北政所ねねが1605(慶長10)年に建てたという寺。
一見地味だが、かなり見応えのある、なかなか興味深い場所。
雨が降っていなければ、もっともっと楽しめたのにと、空を恨めしく見る。
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    ↑↓枝垂れ桜もまだまだ美しく咲いていました。寒さのおかげでけっこう長持ち。
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     ↓北海道人は、こんな竹林にさえ、えらく感動するのです。
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     ↓高台寺では、甘酒をいただきました。
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高台寺を後にし、さらにねねの道を北へ進むと、つきあたったところに円山公園がある。
左手に豪華な明治時代の洋館「長楽館」が見える。現在は喫茶店として利用されているらしい。
かなり気になるが、既に午後1時半近くである。もう時間にあまり余裕がないので今回はパス。
次回への楽しみとする(この辺で、既に年内にもう一度来ようと決心している)。
そして、ほどなく、京都を代表する名桜の一つである、かの有名な円山公園の枝垂桜に到着する。
雨の中、かなりの人だかりができているので、すぐにそれとわかる。
「祇園の枝垂桜」とも、「円山の夜桜」とも呼ばれているらしく、円山公園のシンボルであるとのこと。
昼間見ても、なかなか妖艶な雰囲気がある。
今回は夜桜を見る機会は無かったが、夜見たら、眠れなくなりそうな気配がある。
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枝垂桜を左折すると、ほどなく八坂神社に到着する。本日午前の部の終点である。
創建年は諸説あるようだが、一説には656年(斉明2)、素戔鳴尊を祀ったのが始まりといわれているらしい。これも、気が遠くなるほど古い話である。
京都では「祇園さん」と呼ばれる、なかなか賑やかな神社である。
    
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   ↑↓朱塗りの西楼門(重要文化財)は1497年(明応6)の再建。
       あぁ、ここにも美しい朱赤と緑青が。。。
   こちらの門は、四条通りの突き当たりにあり、道路(東大路通)の向こうは賑やかな祇園となる。
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さて、こちらで今日散策、午前の部は終了(といっても既に2時近くである)。
最寄りの地下鉄駅である東山駅までは15分以上かかるようだが、がんばって歩くことに。
しかし、何故か途中で道を間違えて、結局たどり着いたのは東山駅より西の三条京坂駅。
もちろん、20分以上は歩いたことになる。
それにしても、王道ではあるものの、この散策ルートは全て興味深く、楽しい時間だった。
近いうちに、絶対晴れた日にまた来るぞ!と心に誓う。
そして、いつの日かもう一度桜を愛でに訪れたい。
今度は、ぜひ清水寺や高台寺の夜桜を楽しみたいと思うのだった。
(つづく)

           ■ 今日のおまけ
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   三年坂の入り口にある、有名な七味家本舗に立ち寄り、おきまりの七味を買う。
   せっかくなので、清水焼の器入りを。
   これは焼き〆に淡いピンクの桜柄、その名も焼き〆め桜(そのままである)。
   焼き〆の器は好きなので、かなり気に入っている。
   可愛いだけじゃなくて、ちょっと大人っぽいと思いませんか?
by rucolaperla | 2006-04-17 01:15 | 京都紀行

今日も、明日も、明後日も、いつも親ばかな家猫写真館

by rucolaperla
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